珍しいスターの受信機が修理にやってきました。
説明書のコピー付だったのですが、なぜか一部がありません。回路図も一部が欠落しています。
受信周波数範囲
バンド 同調範囲
1.8Mc 1.8〜2.0Mc
3.5Mc 3.5〜4.0Mc
7.0Mc 7.0〜7.5Mc
14Mc 14〜14.5Mc
21Mc 21〜21.5Mc
28Mc 28〜30.0Mc
50Mc 50〜54Mc
使用真空管
高周波増幅 6BA6
第1ミクサ 6AU6
第1局発 カソードフォロワー 12AU7
第2ミクサ 6BE6
第2中間周波(55Kc) 6BA6×2
AM検波 AVC ANL 6AL5
プロダクト検波 BFO 6EA8
低周波増幅 6BM8
周波数キャリブレーター 6AU6
定電圧放電管 VR−105mT
整流 シリコンダイオード
真空管は試験しましたが、大丈夫でした。
ただ水晶発振(マーカー)部分に6AU6では無く、6BA6が使われていましたが、特に問題はありません。
例によってケミコンテスターで試験しました。
定電圧放電管が使われているので、漏洩電流を確認する時は抜いておきます。
この試験で出力管のカップリングコンデンサーの不良が発見された。
結局3個コンデンサーを交換した。
やはりコンデンサーの劣化がありました。
特に出力管の結合コンデンサーの不良が酷かったです。
交換せずに通電すると故障します。
写真 下側にRF部分のコイルが見える。
3連バリコンは両端の2個が使われている。
これは干渉を防ぐための工夫です。
糸掛図です。
凄く不思議なのはキャリブレーターの糸かけの途中にスプリンが入れられています。
操作上 気持ちの悪いバックラッシュがあります。
動作試験中のSR−550。
当然のことながらアンテナを接続しないと受信できません。
ためしに7MHzのアマチュアー局を聞いてみたら正常に受信できます。
たまたま手持ちで回路図があったから良かったです。
これを回路図なしで修理するのは時間がかかります。
ANT RF OSCのコイルはコア入りで、調整できるようになっていますが、
なぜか発振回路は固定コンデンサー(マイカ)です。
したがって受信周波数の目盛り合わせは、下端(0KHz)の位置は容易に合わせられますが、
上端(500KHz)の位置を合わせるのは大変です。
やろうとするとマイカコンデンサーをカットアンドトライで交換する必要があります。
やって出来ないことは有りませんが、費用対効果を考え、持ち主と相談して、
一応受信できる範囲で妥協、調整は殆ど省略しました。
実際にアマチュアー無線機として使うのであれば、当然調整しますが、
たまに受信してみるだけなら工数を考えると無駄な出費になりかねません。
なお簡単に試験した結果5900と同じ程度の感度がありました。
この通信機に限りませんが、これだけの重量を支えるのに2個のネジが残っているだけでした。
昔のラジオのマイナスネジの内 使えそうなものを2個追加しておきました。
外形が違いますが、見えないところなので、我慢してください。
2004年7月9日
2004年8月15日
2006年7月20日
radiokobo-all