ラジオの調整をする時 必要なものです。
新品も購入できますが、ジャンクを修理して使う方法もあります。
ラジオ修理の必需品だけに、出回っている数も多く、なんとなく捨てがたい雰囲気なので、意外に入手できる機会が多いでしょう。
部品を集めて作るのは大変ですが、修理して使えば便利です。
埃だらけのジャンク品。
清掃から始めました。
内部の写真。
6C6 76 12Fの3球ですが、真空管は抜き取られています。
ペーパーコンデンサーは湿気の為か、ぼろぼろになっています。
ケミコンも含め、全数交換予定です。
電源トランスと発振用のトランスは確認したところ断線はしていません。
三和のテストオシレーターは測定器としては一見貧弱ですが、
他社の同じレベル(価格)のものに比べ真面目に作られています。
アッテネーターやコイル類はシールドケースに入れたあります。
修理は嫌らしいですが、使う時は高性能です(値段に比べ)。
中学生の頃親に買ってもらったのが三和のSO−11Sに良く似た機種でした。
周波数が意外に正確だった記憶があります。
真空管は左から12F 76 6C6です。
なお三和のテストオシレーターは真空管が抜けないよう脚とソケットが1箇所半田付けされています。
修理する時は注意してください。
コイル バリコンはシールドケースに入れられています。
穴は各コイルについているトリマ用です。
左下から時計回りに、F E D C A Bバンドです。
コイル部分のシールドケースを外したところ。
中央のトランスは変調用の低周波トランス、その下側に電源トランスが見える。
バリコンは「キクナ」製。
電源のケミコンは3 10μFが手持ちで無いので、400V 15+15μFと交換しました。
配線技術(半田付け)は素晴しいです、とてもまねできません。
12Fはシリコンダイオードに置き換えました。
真空管の足は半田付けしませんでした。
小さなブリキの箱2個はアッテネーター用のシールドケース。
真空管の後ろはコイルとバリコンのシールド。
455KHzを発振させているところ。
三和のテストオシレーターは周波数は意外と正確です。
ちゃちな作りですが、この部分に関しては素晴しいです。
なお発振波形は酷い物です、高調波が随分出るでしょう。
周波数の低い方は調整できませんが、結果的には目盛りとぴったりでした。
周波数の高い部分はトリマで調整しました。
製造後半世紀以上経過しているにしては素晴しい精度です。
ただ先にも書いたように波形は奇麗ではありません、高調波が随分出ているでしょう。
SO−11Sの回路図
下記の回路図と現物は殆ど同じでした。
恐らくデザインが違うので、型番が違うのでしょう、修理にはこの回路図が大いに役立ちました。
使用法と取り扱い上の注意
テストオシレーターはラジオの中間周波数と放送波帯(短波も含む)の任意の信号を発生させるものです。
400Hzで変調をかけることができます。
変調がかけられると調整に便利です。
スイッチの切替で、CW(無変調)、400Hzの変調、外部変調が選べます。
バンド切替 100KHz〜30MHzを6バンドで切り替えられます。
減衰器は回路図で示すように微細に可変できるように作られています。
実際は漏れ電波が多く、多くは期待できません、アッテネーターを「有って無エター」と悪口を言われるくらいです。
標準信号発生器SSGはこのアッテネーターが正確に働くよう、信号が安定で、発振波形がサインウエーブであるなど高級品です。
当時 値段はテストオシレーターが数千〜1万円、SSGは数十万円しましたから当然では有ります。
調整時下記のように接続してください。
まずIFTの調整です。
最初は出力を大きくし、段々小さく絞って行く方がやりやすいです。
ピークを確認する時はできるだけ出力を小さくしてください。
目盛りあわせ
周波数の低い方 700KHzはOSCのCpで調整、高い方1400KHzはCtであわせます。
トラッキング調整
低い方はL2のコイルを最適値にあわせるのですが、空芯のコイルの場合、コイルの巻数の増減が必要ですが難しいので、普通はそのままとします。
高い方はCtであわせます。
なお調整は出来るだけ信号を絞って使用ください、なお2倍 3倍 4倍・・の高調波がでますので、特にIFTや短波帯の調整には充分注意ください。
C同調のIFTは可変範囲が広いですから455KHzのつもりが910KHzに調整してしまったと言う悲劇が起こりやすいです。
2006年3月16日
2006年3月17日
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