管理人の補足説明
@PUに切り替えた時、ラジオが混線しないよう、OSCコイルのアース側を浮かし、受信しないようにする仕組みになっています。
この為 PU切替え時 6WC5のカソード電流が0となり、R9を流れる電流が減り、結果的に6D6のG2電圧が上昇します。
規格以上にG2電圧が上昇すると6D6が劣化します、ブリーダー抵抗R4 20KΩはこの影響を軽減する為です。
A6Z−DH3Aは普通のグリッドリークバイアスでは無くて、カソードバイアス方式で、負帰還もかけれれ、音質重視の設計になっています。
B電源トランスの電圧が常識以上に高い、若しかしたら電磁型スピーカー用の残り物を流用したものかもしれない。
この為、平滑抵抗R19に3KΩを使い、42のG2に加わる電圧を195Vに下げている、カソードバイアスを差し引くと実質180Vで動作させることに相当。
この設計でB電流も少なくなっている。
この程度であればトランスさえ交換すれば整流管は80BKクラスで充分のはず。
回路を真似て使用する時は、全体のバランスに配慮して、部品の定格を決めてください、表面だけ真似をしないように。
C回路図に記載された電流 電圧 抵抗値間に矛盾があり、信用しがたい部分があるので要注意。
例えば整流後の全電流は46mAと記載、一方平滑抵抗3KΩの電圧降下は100V、逆算するとここの電流は33mAのはず、
そうすると、42のプレート電流は引き算して13mAしか残っていない、しかし出力トランス付近には20mAと書いてある・・。
平滑抵抗には脈流が流れるので、多少誤差はありうるが・・、実際は53mA程度と思われる。
電流 電圧の記入した位置に間違いがある(例えばIFのプレート電流5.9mAの記載位置にはRF CINV IFのG2電流も併せて流れている)、
この回路図の数値を利用する時は、自分で検算してみることが望ましい。
メーカー準備の回路図としてはいささか疑問が多い。
D6W−C5のG1とOSCコイルとの結合は普通50〜100PFのコンデンサーが使われているが、
このラジオはOSCコイルにもう一つ巻線を巻いて、巻線間の静電容量を結合コンデンサーの代わりとしている。
シャープの他のラジオでも時々見かける方法で、合理化の1つでしょう。
Eこの機種は昭和28年頃販売されていたもので、当時の定価は18,000円(大学卒初任給の2カ月分以上か?)。
F高周波増幅付スーパーの基本的回路はラジオ技術教科書に記載の物がお勧めできます。
回路図は梅田さんのラジオ回路博物館にありますのでご覧ください。
回路図はシャープのサービス資料より。
2007年9月10日
2007年9月12日:161
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