電源がいらず、受信できなくなったスポーツ11の修理です。
この機種は10年以上前に修理したことは有りますが、詳細は忘れていました。
その為か 分解するのに一苦労です。
何とか中身を取り出せました。
現象からみてトランジスターの不良らしいとは判断したのですが、交換するのが一苦労でした。
シールドケースに覆われていたり、シャーシ(構造体)に覆われていて、簡単には部品が交換できないのです。
ICFー5900の修理に比べ2〜3倍の手間がかかります、嫌らしさは言葉に言い表わせません。
トランジスターを交換して、無事修理完了です。
今回は4個のTRを交換しました。
本当に不良だったのは1個ですが、同じ型番のものは交換した方が安全なのです。
同じような故障が近い将来起きやすいのです。
全数交換したかったのですが、さらに手間がかかるので、ここで妥協しました。
スピーカー を取り外して こちらから半田を外します。
5900は基板にトランジスターの取り付け図が印刷されていますが、
この機種は印刷がありませんので、取りはずす時によく確認しておくことが重要です。
保守性は極端に悪いです。
もっと 数多く修理すれば 簡単に修理できると思いますが、この機種は珍品なので・・。
ケースに一体で組み込まれているツマミ部分の突起も破損している
ICF−111 | ICF−110(B) | |
正面 | ||
背面 |
正面から見たところです。
不良トランジスターはダイアル機構の裏側に有ります。
まず スピーカーを外します。
丸印の位置に該当のトランジスターが組み込まれています。
ちょうど 基板の裏側にシャーシがあるので 基板部分をバラバラに分解しないと修理できません。
基板を外すのは大変な作業になります。
ネジや一部の配線を外すだけでなく バリコンへの配線も外す必要があります。
苦労して 配線を外して基板を剥き出しのしたところです。
この状態にしないと目指す部品の交換が出来ません。
表現は単純ですが 壊さないように 元に戻せるように分解するのは至難の業です。
配線があちこち引っかかりますので 外すのですが 注意しないと組み立てる時どうして良いかわからなくなります。
最終的には分からなくなり 手持ちのICF-111と見比べて組み立てました。
結論的には 同じ機種を持っていない場合は分解するのは危険です。
なお製造ロットによって微妙な違いも有ります。
数をこなせば 次はもう少し楽に分解出来ると思いますが この機種は修理機会が少ないので・・・。
分解して トランジスターを交換後 別のバリコンを組み込んで動作試験をします。
無理に オリジナルのバリコンを使わないほうが良いでしょう。
バリコンにはダイアル機構が組み込まれているので 糸を切ったり 外したりすると悲劇的な結末になります。
ただ取り外したトランジスターは正常に動作しました、半田の熱で復元したのかも。
動作確認し 大丈夫だったら 元通り 組み立ててゆきます。
基板を外す時じゃまになって 外した配線も忘れず接続します。
なお 他のトランジスター(2SC710)も心配なので確認しましたが ほとんど交換されていました。
どうもこの該当部分のみ このようにバラバラにしないと交換できない位置だったので 前回の修理時交換しなかったのでしょう。
スピーカーを組み込んだところ(この画像は前と同じもの)
最終的に組み立てた ICF−111です。
NHK1(594KHz)を受信しています。
FMの受信
この機種の修理はお勧めしません、ICF-1100や ICF-5500の数倍の手間がかかります。
特に基板を外す修理だったら とにかく嫌らしいです。
2012年9月23日
2014年4月8日:1,201
2015年2月20日:1,716
2015年2月21日
2020年9月27日:4,679 無音のICF−111修理
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