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真空管ラジオの部品を中心に こぼれ話を集めました、公式な話では有りません。
興味のある部分だけ、気軽にお読みください。
ラジオ部品の 常識 非常識集。
戦後の混乱期にラジオ少年だった小生は、短波放送の受信できる0ーV−1は憧れだった。
この受信機で必須と言われたのが検波管の負荷用の低周波チョークコイルだ。
当時の受信機は真空管の性能も低く、かつ球数も少なくする必要があり、真空管を最大限に働かせるためにこの部品が必要であった。
九州の小さな町では当然入手しようも無く、1:3のトランスを直列につないで、利用した。
何時か100〜300Hのチョークを使ってみたい夢を実現すべく、最近自分で作成した。
部品は写真のごときものを以前秋葉原で購入して有ったので利用した。
左 巻き枠 中 コアー 右 完成品
0.1mmφのホルマル線を11500回巻いてある、丁寧に巻けばさらに多く巻けそう。
コアーはE I型に入れ、ギャップ用に紙1枚を挟んである。
これは直流磁化をを防ぐためだ。
なお電源トランスはE
Iを交互に組み合わせギャップを作らぬように入れるので間違い無いように。
ST管5球スーパーを修理する時、出力トランスが断線していた事が有りませんか。
中古ラジオは50%くらい断線しているようです。
断線したトランスが12KΩ(6Z−P1用)で、7KΩ(42用)のタップ付きの場合、不思議にも7Kと12Kの間は導通がある事が多いです。
7と12の間だから5KΩ有ると早合点してはいけません。
トランスのインピーダンスは巻線比の二乗になりますので、実際は700Ωくらいしかありません。
ミスマッチでも音は出ますが、酷い音です。
巻数がが多いので正確に数えた事は有りませんが、1次側は3000回くらい0.12mmφくらいのエナメル線が巻いて有るようです。
2次側は1mm弱の太い線が数十〜100回くらい巻いて有ります。
でも不思議な事にST管時代のトランスは大きく、mT管用のトランスは小さいのです。
さらにmT用は無理していると思われるが、意外と断線は少ないです。
多分線材がピンホールの多いエナメル線からウレタンやホルマル線に変わったからでしょう。
断線する原因はピンホールについた湿気がプラスの電圧により、電気分解を起こして断線すると言われています。
マイナスだと不思議に電蝕は起こりません。
トランスは現在でも1000円以下で新品が購入できますが、大きさが微妙に違い、スピーカーに取り付ける時に苦労します。
昔はOUTは切れるもの、消耗品が常識で、写真のような替えコイルが売られていました。
最近は何処を捜しても売ってません。
昭和20年代中頃までは高級スピーカーとしては最も高級なスピーカーとされていました。
今でも音が良いとかで人気があります。
これは20年代前半は永久磁石に良いものが無かった名残でしょう。
ここでの話題はフィールドコイルの巻線についてです。
写真で見るごとく細いエナメルが沢山巻かれています。
一般に巻線抵抗は1000Ω、1500Ω、2500Ωです。
2500Ωの物は戦前の4ペン等に使われた実績が多いです。
この場合の出力管は47Bです。
B電流は30〜40mA程度で励磁されます。
1500Ωの物は戦後の42等を使ったスーパー等に使われました。
B電流(励磁電流)は50〜60mAでしょう。
1000Ωの物は42PP等の電蓄によく使われました。
ところで6.5型
1500Ωの巻線を調べて見ると0.15mmΦくらいしか有りません。
安全電流からすればもう少し太い線が必要と思うのですが?。
他の製品も同じ様な太さです、放熱が良いと言う前提で細い線が使われているのでしょうか?。
これはトランスなどを巻く巻線機です。
上の時計のような指示板で巻数がカウントできます。
上が1廻り100回、下が10,000回までカウントできます。
中々便利な機械です。
中学生の頃隣がラジオ屋さんだったので、これでトランスのコイルを巻くのを見て何時かはと思っていました。
余談1
トランスは何故焼けるか?
古いラジオでトランスを交換したラジオを見かけませんか、これはトランスが焼けたため、
巻きなおしたか、新品に交換したためです。
昭和20年代初め、終戦から少したった頃電力事情が極端に悪くなりました。
(終戦直後は工場が破壊されたため、電力は余裕がありました)
100Vの電灯線が80Vとか極端には60V程度に低下することがあったようです。
この為、トランスに85Vとか90Vタップがつけられました。
電圧が低下した場合、ヒューズの位置を入れ替えれば、電圧が切り替えられるようにしたわけです。
戦前のラジオには非常に少ないと思います。
しかしこれだけでは足りずにオートトランスまで使いました。
オートトランスは50ないし60Vになっても100Vに電圧が調整できました。
電灯線は夕方など電気を使うときは電圧が低下しますが、昼間など、家庭で電気を使わないときは100Vになります。
電圧が下がっている時にオートトランスで調整したまま正規の100Vになると過電圧がラジオに加わり、トランスが焼けるわけです。
余談2
戦前のラジオは85(90)Vタップは少ないです。
若し戦後か戦前のラジオか区別がつきにくい場合、タップつきは戦後の設計と考えた方が正解に近いでしょう。
マグネチックスピーカーの馬蹄形磁石を開ける工具です。
捜しているのですが見つかりません、情報をお寄せください。
工具には上のネジ式と下の梃子式がある。
お礼
青森の平井さんから寄贈いただきました。
有難うございました。
使用例はここ。
真空管ラジオの修理で困るのは高耐圧のケミコンの入手でしょう。
特にブロック型のものを入手するのが大変です。
この写真は補修用の在庫の一部。
315V 22 22 22μFのブロック型が今となっては貴重。
昭和30年代は電池管のヒーター回路の低電圧 大容量のケミコン探しに田舎では苦労したが、最近では逆になってしまった。
大容量のケミコンは高耐圧 低電圧ともに比較的手に入れやすいが、
トランスつきラジオ用の350V 20μFやトランスレス用の150V 50μF程度の物が見つけにくい。
1PFから120PF程度の小型のものを主に収納しています。
勿論それ以上のものもあり、中にはセラミックフイルターやケミコンも含まれています。
IFTなどに使われる同調コンデンサーはコイルの温度係数を打ち消す関係の温度補償コンデンサー(酸化チタン系)が使われます。
(コアつきコイルの温度特性と逆のもの)。
自分ではそんなに器用に使えませんので、同調回路には温度特性0の黒印を使っています。
なお普通のセラミックコンデンサーは温度による容量変化が猛烈に多いそうです。
(これは同調回路には使えません)
小容量のものは温度補償用のものが大部分です。
頭の黒いものが温度係数0のもの。
橙色のものは−150PPM/℃。
数字の下の線は50Vを意味する。
代表的なもので許容差は省略 電子部品活用マニュアルより抜書きです。
公称静電容量温度係数
NP0 (PPM/℃) 記号C カラー表示 黒
N30 H 茶
N80 L 赤
N150 P 橙
N220 R 黄
宝山の部品ケース。
上下2段になっています。この写真は下側。
左 2.5V球
スワン 6.3V
中央右 トランスつきラジオ用6.3V 150mA。
右端 トランスレス用 3V 150mA
真空管
トランス
コイル
バリコン
ダイアル
スピーカー
小物
PU フォノモーター
2002年6月30日
2002年12月21日
2003年1月18日
2003年1月21日
2004年6月8日
2005年5月16日