アンティークラジオの修理 ソニー TFM−9500

昭和40年代の古いソニーラジオの修理依頼がありました。
回路図も無い 現物を見たこともないので お断りしたのですが、他にあてがないとのことで引き受けました。
元気に動作していたのですが 急にスイッチが入らなくなったとのこと。

正面の画像です、木製のキャビネットに組み込まれています。




裏側から見た内部画像です。
FMチューナー基板 AMチューナー+IF基板 AF基板に分割されて組み込まれています。
ソニーの初期ラジオに良くあるパターンです。
VRに付属のスイッチを入れても電源が入りません。
スイッチの端子をテスターで当たっても導通が有りません。
嫌らしいことに スイッチ部分の端子が2組あります。
回路図があれば簡単に判るのですが 有りませんので 回路を追いかけて判断します。
2組の端子はACと電池動作で 独立していることが判りました。



修理するには 基板を取り出さなければなりません。
この種のラジオは興味の対象外のため 経験がありません。
あちこちネジを外してやっと基板を取り出しました。
元に戻せるように いろいろな角度から写真を撮影しておきます。













VRを取り出すのが大変でした。
やっとシャーシから外したところ。



VRの電源端子をショートしてみても音が全く出ません。
これはおかしいとMPX端子にクリスタルイヤホーンを入れてみると正常に動作しています。
VRの3端子を測定してみると中点が浮いている感じです。

基板の奥に組み込まれているVRを取り外してみると
摺動子が 捲くれています、これでは接触しないはずです。



VRのカバー部分 白いプラスチックがスイッチ。



端子付きのVRでスイッチが2組ついたものは入手できません。
現在 秋葉原でもスイッチが2組ついたものを探すのは至難です。
たまたま 手持ちのものがありました、抵抗値は多少異なるのですがこれを組み込むことにしました。



再度組み込んで 調整し 修理終了です。


2013年11月21日






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