ソニー トランジスターラジオ TR−710Bの修理

依頼主から
症状は「SW付ボリュームの接触不良」と思われますが、
長年の使用により、この部品の内部破損が疑われます。
(不具合ながらラジオを聞く事は出来ます。)

梱包を開けて吃驚しました。
外観が非常に綺麗です、昭和34年頃作られた製品として極上品と言えるでしょう。
通電してみると 音は確かに出ますが、なんとなく頼りない感じで、発振気味です。
SW付VRは特に問題は無いようです。









基板を取り外したところ、部品面。


パターン側。


ケミコンを交換しました。
発振はしなくなりましたが、それでも音が変です。
消費電流を測定してみると10mA程度です。

いろいろ調べてゆくと、出力トランジスターの1個が不良になっていることがわかりました。


出力トランジスターは2T313です。
脚のリード線が折れてしまいました。
切断面を見ると錆びています。

脚のメッキが黒く変色するのは良く経験しますが、
この様な現象は初めてです。




結局日立のPNPタイプのトランジスターに 2個とも交換しました。
これで 無事動作するようになりました。





修理完了のTR−710B 裏面。



2005年3月1日

ラジオ工房TRラジオ博物館1へ



2006年8月5日よりカウント

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