ナショナル トランジスターラジオつきプレーヤーSG-555

ナショナルのラジオつきプレーヤーの修理です。
知人のもので、ラジオ部分だけの修理です。
気軽に引き受けてきたのは良いのですが、開けてびっくり、修理は大変でした。

エアーバリコン、ゲルマニュームTRが使われていてます、比較的 初期のトランジスターラジオです。
おそらく昭和30年代中頃か?。
ただナショナルのBCLラジオに見られる保守性の配慮はまったくありません、酷いつくりです。

あるいは誰かが改造した後かも知れませんが、配線がなんとなく変です。
電源の極性の判断さえ悩みました。
(DCソケットが接触不良を起こしていて、電池動作がNG)

結局ラジオをばらして、パターン図から極性を判断しました。
何しろ赤いビニール線が−で、黒い線が+ですから、最初悩みました。
通電すると過電流遮断回路が動作します、電源回路の+−がショートしているようです。


通電するとスピーカーからクリック音は出ますが、受信はまったく出来ません。
電流を測定してみると過電流保護回路が働きます。
パターン図から調べてゆくと出力トランジスターの不良とわかりました。

今回は無料で修理する約束なので、手持ちの部品で修理する事にしました。
出力段は2SB76のPPです。
同じとトランジスター2本の手持ちは有りませんので、
シリコンのPNP TRで代用する事にしました。

シリコンに変更するとバイアスが変わりますので、
VRを仮つけして、最適な抵抗値を測定します。


測定値に近い抵抗を取り付けて終了としました。


元通り組み込んだところ。
修理そのものは1時間ちょっとで終了しましたが、
事前準備、組みたてに半日以上かかりました。

何しろ配線を外さないと、基板が外せない仕掛けです、
いやはや参りました。


組み立てたプレーヤー外観。

2003年4月11日
2003年4月12日

ラジオ工房TRラジオ博物館1へ



2006年8月5日よりカウント

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