東芝  トランジスターラジオの修理 8TL−463S

新しい電池を入れても音が出ないというラジオの修理です。
皮(人工)のケースに入れられた東芝の初期のトランジスターラジオです。
このラジオは実は分解方法が良くわからなかったです。
幸い同じものを持っていますので、まず自分のもので分解する練習をしてから着手しました。
サービスマニュアルがあればこんなことは不要なのですが。

ただ同じ機種ですが、意外と違う部分があり、製造時期で固定方法などが変わったようです。
ごく1部に+ネジが使われていています、若しかしたら修理時に交換されたのかもしれません。


分解した基板の部品面。
エアーバリコンが使われています。


凄い埃です。
この為かSW類の接触不良も原因の1つでした。

SW不良が解決して、通電してみても蚊の鳴くような音です。
ゲルマラジオクラスの音量ですから、悩みます。

VRにクリスタルイヤホーンを接続すると音量は正常にあるようです。

低周波回路の故障と目星をつけました。

ところが下の写真のごとく、肝心の部分は金属カバー(というより構造体のシャーシ)で覆われています。
これでは確認のしようがありません。


パターン面の写真です。
困った事に基板面の肝心な部分が金属でカバーされています。
この金具を外す為のはダイアル糸を外さないと不可能です。
正直保守性の悪さに腹が立ちます。


ダイアルの糸を外し、何とかカバー部分を外しました。
パターンを比較的大まかなので追いかけてゆくのは5800クラスに比べれば楽です。
ただ金属部分は完全には外せませんので、その点では不便です。


パターンを手書きして、回路図を推測する事にしました。
回路図があればよいのですが、昔のラジオでは回路図まで準備できない事が多いのである程度仕方がありません。
大よその位置関係を決め、基板の裏側から光を当てて、位置を確定します。
パターン図に部品を書き込んでゆくと、接続関係がわかります。

信号の流れに重点を置いて調べてゆきます。
大まかに分かった時点で、各部分に信号を入れてみます。
これで不具合箇所を推定できます。

今回は結合コンデンサーのオープンでした。
全体的に容量の減少が確認できましたので、全てのケミコンを交換することにしました。
仕上げ 調整

この時代のトランジスターラジオはケースに組み込むのに苦労します。
つくづく鉄製+ネジの有り難味を実感します。


組み込んで目盛り合わせと、トラッキング調整をしました。
普通トランジスターラジオのMW用発振コイルは赤コアの事が殆どですが、
このラジオは黄色コアでした、これは非常に珍しいです。
皆さんが修理する時参考になるよう写真に位置を示します。

IFTの調整をし、トラッキング調整をすると素晴しい感度になりました。
やはり8石ラジオの威力でしょうか。
短波も独立のバーアンテナですから、素晴しいです。

ご注意
このラジオは2台準備してから修理する事をお奨めします。
いきなり1台だけで修理に挑戦すると、元に戻せなくなる可能性が高いです。
特に糸掛けを外す時は注意が必要です。


左側が今回修理したもの。

右側は自分のもの。

 


2005年9月28日

ラジオ工房TRラジオ博物館1へ



2006年8月5日よりカウント


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