真空管ラジオの修理 シャープ並四 442

シャープの並四 27A 26B 26B 12Bの修理です。
このラジオは非常に保存ジ状態が良かったです。
バリコンと再生調整用の豆コンの取り付け方が唯一変だなと言う程度でした。


シャーシにも錆はほとんど見当たりません。


シャーシ内部。
左側はペーパーコンデンサー。
低周波トランスは2個とも断線していました。
2次側が生きていますので、1個はチョーク結合も考えたのですが、
依頼主の希望で、オリジナルに近いように、2個とも交換しました。

真空管も26Bが2本とも切れていました。
オリジナルの真空管と思えるものでした、非常に残念。
昔入手しておいた虎の子のカニンガムの26 に交換しました。

なおこのラジオのACコードはオリジナルのものがそのまま使える状態で、残っていました。
これは素晴らしいのですが、このような状態だと骨董屋さんが通電するので、
26Bが断線する可能性があるのです。
12Bのところにそのまま挿せますので、悲劇が起こりやすいです。
26Bは自然に断線することは少ないですが、断線させることは多いです。


部品を交換、再配線したシャーシ内部です。
見えない部分ですが、エンパイアーチューブを使って配線しました。

コンデンサーはごく一部を除き交換しました。
ブロックのペーパーコンデンサーは電解に交換です。


なおこの並四は26B 26Bの2段増幅で、共通のフィラメント巻線が利用されています。
この中点にバイアス用の抵抗とコンデンサーが接続されています。
特に注意することは直熱管をこのように接続するとトランスの結線方向によっては発振します。
発振した場合はPとBの位置を1個だけ入れ替えてください。

(位相の関係ですから、2個とも入れ替えては駄目です)



試験中の並四。



修理完了して動作させたところ、音が悪いです。
どうも経年変化でスピーカーのコーンが変心したようです。
代わりのものが有りませんので、とりあえず、スピーカーのコーン紙に綿をつめて応急処置しました。
普通のマグネチックスピーカーより、ほんの少し小さい(18cm)ので、代わりを探すのが大変です。


キャビネットに収めたところ。



2004年3月20日

2005年8月16日移転

2006年6月24日移転

修理のノウハウは「真空管ラジオ・アンプ作りに挑戦!」をご覧ください。




ラジオ工房修理メモ

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