真空管ラジオの修理 シャープ UM−160 真空管ラジオ


修理後 通電試験中です。
マジックアイは薄いです。
マジックアイの飾り金具は紛失したようです。
電源が入らないというラジオです。
到着時 後ろのPU金具が外れているので、悪い予感はしたのですが、ここまで酷いとは思いませんでした。
次々に問題が判明してきました、どうもアマチュアーが修理しようとして、途中で諦めてしまったもののようです。
トランスレスラジオでここまで壊れているのは非常に珍しいです。
汚れがあったので、キャビネットは水洗いしておきました、多少綺麗になったでしょう。



ヒューズがありません、PU金具も外れたままです。
後で気がついたのですがPLも後ろ向きに組み込まれています。


キャビネットから取り出したところ。
真空管は19A3と35C5の2本が断線していました。
普通断線は1本の場合が殆どです、2本切れている例は初めてです。
アマチュアーが弄り回して 断線させたようです。
PLも断線していました。
ヒューズも有りませんでした。

スピーカーをテスターで試験すると、導通は有るのですが、クリック音がしません。
いろいろ調べてみると芋半田でした、これも珍しいです。
調査は意外と大変でした、「まさか」このような状態とは。
半田付けのやり直しで解決しました。




ケミコンテスターで漏洩電流を測定すると、ケミコンは全く駄目でした。
ついでに結合コンデンサーの試験も実施、これもNGでした。
ペーパーコンデンサーは殆ど交換しました。

ここで通電試験です、音は出ますが 小さいです、VRを回しても殆ど変化がありません。
調べてみるとVRの中点が浮いた状態になっています。


真空管の汚れから類推すると、脂分の多い環境で使われていて、ブラシの部分が汚れている感じです。
このような故障も非常に珍しいです。


秋葉原で先日購入してきた500KΩのVRに交換し、
軸は特殊なので、古いVRの軸を接続して利用します。



試験中です。
IFTの調整は固定ペンキが外れず、
動かしたのですがねじ山が壊れて駄目でした。
2箇所動いたので、最高感度になるようにしました。
このため451KHzのIFになっています。


元々ブロックケミコンが組み込まれていた位置に、
ラグ端子を組み込み、これにケミコンを取り付けました。
この作業はブロックケミコンの取り外しが大変です。


修理完了後の後ろ側。
PUの端子板も手持ちのネジで固定しました。


今回交換した部品です。
ペーパーコンデンサー類
音量調整用VR。
ブロックケミコン
真空管 35C5 19A3の2本。
PL:3V 150mA

ヒューズは追加。

回路図はこちら



2009年9月18日






ラジオ工房修理メモ

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