真空管ラジオの修理 ナショナル GX-320

ナショナルラジオGX−320のパイロットランプが切れ、
交換修理中にショートしヒューズが切れました。
新しいヒューズを取り付けましたが電源が入りません。



単なる真空管の断線と思ったのですが、念のためケミコンテスターで確認しました。

ケミコンは大丈夫でしたが、30A5の結合コンデンサーがリークを起こしていました。



0.01μFの結合コンデンサーを交換しました。
35W4の断線でした、真空管を交換して修理完了。
IFTを455に調整。
ダイアルの目盛りを合わせて、周波数の高い方でトリマを調整して最高感度にします。
低い方はコイルのインダクタンスの変更は無理なので、そのまま。


トリマの位置と調整箇所。

受信してみると、周波数の低い方で、ガリッと音がします、調べてみるとバリコンの羽根に傷があります。
ここで羽根がショートしているようです。
ランプを交換しようとした時に、この部分で接触したようです。
通電したまま 作業する時良くおきる事故です。
アルミの羽根が溶断するくらいですから、真空管が断線しても不思議ではありません。


写真 白丸の部分に傷があります、この部分の「出っ張り」を補修して解決。
このラジオは写真で見るように、全体的にCRC状のものをかけてあります。
無闇にかけると、修理不能になります。
止めた方がよいです。

バリコンの容量が変化していないか、心配したのですが、異常はありませんでした。

ランプの断線の原因は、おそらく結合コンデンサーのリークでB電流が増加、それでランプが断線したのではと思われます。
mT管ラジオはケミコンの良否判定と、結合コンデンサーの交換は無条件でやった方が無難です。

このラジオで不思議だったのはアース線が延長されていたことで、アンテナリードは20cmくらいしかついていませんでした。
以前修理した人が間違ったようです。
アンテナリード線も延長しておきました。
ツマミが抜けにくいので困ったのですが、もしかしたら、オリジナルのツマミでは無いかも知れません。

 ラジオの修理を自分でやる方は このホームページの他真空管ラジオ・アンプ作りに挑戦!、や真空管式スーパーラジオ徹底ガイドも参考にしてください。
不明な点はラジオ工房掲示板に実名で投稿ください、修理ノウハウの提供は無償です。
初歩的なことでも結構です、ただし他人が解るように書いてください(神様や占い師にするような経緯を省略した質問は返事不能です)。

当方に依頼される方はラジオ修理工房をご覧ください、こちらは有償です。
 


2008年9月4日

radiokobo-all