真空管ラジオの修理 Westinghouse H871



時間がたつと音が小さくなると言うFMラジオの修理です。
十数分でプツンと言う感じで音が小さくなります。

作りは凄く立派で、分解に苦労します。
左側のFM部分は分厚い銅メッキの鉄板シャーシです。
このようなものははじめて見ました。
最初は銅板と思いましたが、磁石をつけてみてわかりました。
ドイツ製を思わせるのですが、インチネジのようだし正体不明です。


シャーシの銅板部分がスピーカーと半田付けされている。
恐らくスピーカーがびりびり言うので固定したのだろうが、
これを外さないとシャーシが外れない。

シャーシ下が見えないので、あくまで推測だが、
12DT8のそばの集合部品が熱の影響で変化するものと想像している。
この集合部品は2種類が使われている。

これはブラックボックスなので、上手く修理できるかどうか、
相当難しい。




@回路図が無い
Aプリント基板で、回路を追いかけるのが大変。
B集合部品が使われていて、この部分がブラックボックス。
CFMチューナーは分解できない。
の3重苦 4重苦に悩まされています。
それでもおおよその回路の見当がつきました。

不良部品と思われるものを交換しても完全ではありません。
FM検波の部分も再調整しました。

悪いことに故障がだんだん発生しなくなりました。
どうも気持ちが悪いので、2箇所にチェック端子を半田付けして、故障が起こるのを待つことにしました。
最初15分で起こっていた故障が2時間以上連続運転しても正常です。
でも本当は困るのです、障害が起こってくれなくては発見できません。





時間を作っては、モニターしていたのですが、結局故障は発生しなくなりました。
怪しいと思われる部品は交換したのですが、今一原因が明確ではありません。
一部 部品を取り外したり、再度半田付けしたので、あるいはこれが原因かもしれません。
正常動作するようになったので、無理矢理ですが、修理完了と言うことにしました。
オシロスコープで監視するための配線を外し、再組み立て。
なんとなく割り切れません、非常に残念。
このラジオは電灯線アンテナでFMを受信するようになっています。
周りの影響を受けやすく、受信には多少のコツも必要なようです。
アメリカ仕様ですが、100Vで使っても動作します、ただ多少起動時間がかかるようです。



再組み立てしたラジオ。
大きく見えますが、小さいです。



2003年1月20日
2003年1月31日
2003年3月5日

2005年8月16日移転

2006年6月24日移転

修理のノウハウや資料については下記の書籍をご覧ください。




ラジオ工房修理メモ

radiokobo-all