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とんでもないものを買ってしまった人は気のどくですが、
しかし、この出品者は、巧妙にミスリードするようにしていますね。
>測定器にて30か所調整(調整測定器無不可能) FM SW全バンド感度良好です
この文章でおかしいところは、
その1、
>測定器にて30か所調整(調整測定器無不可能)
とありますが、〔 )の「調整測定器無不可能」という部分です。
その前に「測定器にて30箇所調整」と書いていながら、
「調整測定器無不可能」というのは何でしょうか。
そもそも「測定器無不可能」というのが分かりません。
「測定不可能」ならば、測定が出来なかったのだと分かりますが、
「測定器無不可能」というのは、どこで切るのでしょうか
「測定器」[無不可能」なのか、『測定器無」「不可能」なのでしょうか。
もし後者ならば、「測定器にて30か所調整」という場合の測定器は何をつかったので
しょうか。あり得ない測定器を使って30カ所調整したのでしょうか。
また、前者ならば、一応測定器は持っていることになりますが、では、「無不可能」
というのは何を意味するのでしょうか、
「無不可能」という字句は、漢文的にいえば、「無・不可能」=「可能ならざるなし」
=「可能である」ということになります。
「測定器」+「無不可能」=「測定器は可能である」ということになって、
ではいったい「測定器が可能である」という事は何を意味するのか分かりません
「測定が可能である」ならば、充分に了解できますが、主語が「測定器」である限り
「可能である」という術語を付けることはできません。非文法的な文です。
ただ、測定器という言葉を使えば、きちんと測定して修理しているのだなと、
買い手に錯覚をおこさせることはかのうですから、そういうことを見越して
このような、一見わかったような分からない意味不明の文言を附け加えたのでしょう。
これほどの手間をかけて測定して調整したというならば、普通ならば
それが「売り」ですから、事こまかくではなくても、具体的に調整した
場所をいくつかあげて、自分の技術力をアピールするのが自然でしょうが、
それをあえてしていない所をみると、この販売者は、自分の技術に自信がない
ことを言外に言っているにちがいありません。
その2、次に、じつに巧妙に責任逃れを計った文言が
「FM SW全バンド感度良好です」
というものです。
ここには、「MW」が含まれていないことに注意しなければなりません。
MWの目盛が狂っていようが感度が悪かろうか、MWについては何も
いってないのだから、「SW、FM全バンド感度良好」とSWとFMについて
は言っているけれどもMWについては何もいってないにもかかわらず、
MWについても感度良好だと思いこむのは、買い手の勝手な思い込みで
あって、売り手には責任がない、というための巧妙な文言でしょう。
よくTVコマーシャルで栄養食品や化粧品などで、いかにも効くようなことを
言っておきながら、最後の画面で小さく、「これは個人の感想です」と表記して
責任を逃れているのと同じでしょう。
こういう不誠実な販売者については、これ以上被害者をださないためにも
実名をあげて注意を喚起する必要があると思います。
http://www.cam.hi-ho.ne.jp/munehiro/index.html
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