フイルコ THー16 真空管ラジオ 修理体験記

まず 電解コンデンサーと結合コンデンサーのリークテストを行いました。
真空管はテスト済みなので 通電をしてみました, ただ無音です 。

下記画像は シャーシ内部です。



いろいろ調査すると 配線がボロボロで危険です。
アメリカのラジオはからげ配線なので 半田付けを一度外して チューブを被せるだけで 一苦労です。
ピンク色の破片は壊れた被覆部分。



部品を確認しよとすると 被覆が取れるので泣けてきます。
配線を触るだけで崩壊するのですから始末が悪いです。



しらべててみると 音量VRが不良なので 交換すべく取り外しました。
日本製と 大きさが異なるので すごく嫌らしいです。
取り付け穴の寸法や固定穴の位置も異なります、シャーシに電動ドリルで穴あけです。



アメリカ製のVRと日本製のVRの軸の太さが違う、更にオリジナルの軸を使わないとツマミが組み込まません。
丹念に 太いアメリカ製の軸を6mmまで削り  なんとか組み込みました。
実はこの工作だけで 1時間ほどかかりました。



今回交換した部品 この他ACコードや配線材料を交換しました。



シャーシの側面から見た状況 配線は被覆を新しくして 組み込みました。

ただラグ板が使われていず 真空管の空き端子がラグ板代わりに利用されています。
空き端子が反対側の真空管など 予想外の配置です。
組み立てた時は良いのでしょうが 保守する時は時間がかかります。
そのため 配線があちこち飛ぶので 配線のやり直しは大変な作業(工数)になります。
この大変さは自分でやってみないと理解できないでしょう。




動作するようになっての調整箇所です。
段間IFTは複同調ですが 検波用IFTはシャーシ下部に組み込まれていて 単同調です
双方ともC同調なので 調整は注意が必要です(同調が急峻というか 調整にコツが必要)。
受信周波数を 合わせ トラッキング調整して終わりです。



正常動作になった時の電圧 配線図を参照ください。
なお ヒーター配線のドロップ抵抗は経年変化か? 高くなっているし 日本での使用を考えて パラに470Ωの抵抗を入れた。
これで この間の電圧降下は21Vとなり 100Vでも正常に動作するようになりました。
赤字で書いた部分はDC電圧(ACと書いてある部分は除く)です。
7A8 9B7のスクリーングリッドの電圧は抵抗が高化していたので 交換して少し高くした。
これで音量が少し向上した。




修理完了後のシャーシ内部。



試運転していると 異常を感じた。
なにか発振したような現象が急に起きた。
叩くと 回復するので調べてみると シャーシアースの半田付け不良だった。



シャーシ アースの端子部分
一見問題ないように見えるが どうも絶縁不良になることがある。


再度 半田付けをやり直して 解決。






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2015年1月20日
2015年2月2日:028
2015年2月5日:188







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