安田さんの好意で回路図を作図いただきました。
絶縁トランス付ケミコンテスター
AC電源を直接整流するケミコンテスターを紹介していましたが、少しでも安全性を高める意味で、絶縁トランスを使ったものを試作しました。
トランスは秋葉原の東栄電機で704円で売っている、100V:100V 5VAのトランスです。
出力は100 110 115Vの端子がありますので、115Vにして使っています。
無負荷で300Vの出力になりました。
メーターはAC30V目盛りのジャンクです、メーター本体は0.9mAフルスケールなので、シャント抵抗を工夫し、
通常はフルスケール30mA、ボタンを押すと、フルスケール3mAになるようにしました。
メーターの内部抵抗は104Ωです。
小型のトランスを使いましたので、電流制限用の豆球は今回廃止しました。
メーターにシリコンダイオードを逆接続にしたものをパラに抱かせて、メーター破損防止対策としました。
メーターは元々AC 30V用です、内部に整流器と30KΩの抵抗が組み込まれていました。
目盛りはそのまま利用しました。
メーター横の赤いボタンを押すと7.8Ωの分流抵抗が切り離され、フルスケール3mAとなります。
ケミコンに最初60Vで電圧を加え、電流が1mA以下になったら150Vを加えます、
最終的に300Vを加えます。
真空管ラジオのケミコンは規定電圧を加えた時 1mA以上(ラジオ全体で)の場合交換と考えてください。
但し、バイパス用のペーパーコンデンサーの漏洩電流が予想以上に多いので、間違わないように。
なおこの電圧は普通のトランス付ラジオを想定しているので、電蓄などB電圧の高いものは更に加える電圧を高くする必要があります。
逆にmT管トランスレスラジオの場合は150Vを加えたところで終了です。
30mA用の分流抵抗は1.5KΩの抵抗にマンガニン線を62cm巻いたものです
(12.2Ω/m)。
メーターの裏側に取り付けたものは精密半固定抵抗です。
メーターの内部抵抗が104Ωですから、約130Ωくらいだと思われます。
調整は3mA流した時にフルスケールになるよう調整するだけです。
100Ωに2.1mA メーターに0.9mA流れるように抵抗を決める。
自分で製作される方に
@メーターはありあわせの物を使ってください、ラジケーターなどの簡単なものでも可。
シャント抵抗は夫々メーターに合わせて工夫ください。
逆に 適当な抵抗を使用し、目盛りは現物にあわせて書き込んでも良い。
Aメーター保護用のシリコンダイオードは入れたほうが良いでしょう、過電流が流れる可能性が高いので効果的です。
B各抵抗は手持ちのものを使っただけで、こだわる必要はありません、例えば1.2KΩは6.8KΩでも。
今回は簡単な電源にも共用しようと、多少レギュレーションを良くするように作ってみました。
出力端子に8.2KΩ経由のものをつくり、ケミコンの復活用にはこちらの端子を利用しようと考えています。
レギュレーションは悪くても良いので、大きな値でも大丈夫です(レギュレーションが悪い方が安全性は増す)。
C最低電圧レンジにした時に60V出力になります、50Vのケミコン用に使う時は16KΩをもう少し小さくした方が良いでしょう。
Dコンデンサーの容量は大きくするとレギュレーションが良くなります、使用目的に合わせて選んでください。
Eメーターの分流抵抗(7.8Ω)は自作する時、電流容量には注意が必要ですが、値は適当に選んでください。
フルスケールの値に誤差が出るだけです、目安がつけばよいので気にする必要はありません。
F耐圧250Vのケミコンを使ったラジオなどに利用する時はトランスのタップを使って、出力電圧を下げて使ってください。
例えば、トランスの入力側を110Vにつなぎ、出力側を100Vタップを使うと出力電圧は下がる。
2006年5月27日
2006年5月29日
2006年5月30日
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