真空管

真空管が発明されてから100年以上たちました。
エジソンの白熱電球の発明後、真空中で金属を熱すると電子が放出されると言うエジソン効果が発見されました。
その後フレミングによって1904年にフィラメントに対向して金属板を封入し、金属板に+電位をかけると電流が流れる事が発見されました、2極管の発明です。
まもなくフィラメントとプレートの間にグリッドをいれた3極管がアメリカのドフォレストにより1906年に発明されると、
この増幅作用を利用して、真空管はラジオの発展に大いに寄与しました。
3極管はさらに4極管、5極管、ビーム管、複合管、7極管と発展してゆきました。

2極管
   
ラジオでは主に電源用の交流を直流にしてB電源を造るための整流管と、高周波信号を低周波信号に検波する為の検波用に使われます。
整流用は発熱が多いので、12Fや80BKのごとく これだけで独立した真空管が殆どですが、
検波用は6Z−DH3Aや6AV6のごとく複合管として、その1部に組み込まれたものが多いです。
三極管

 

4
極管
昭和10年(1935)年前後のラジオに沢山使われたUY−24Bなどが代表例です。



3極管で高周波増幅をするとプレートとグリッド間の微少容量を通じて、増幅された高周波信号がグリッドに戻り、
増幅が不安定になる、この為グリッドとプレートの間にさらにグリッド(スクリーングリッド)を入れた4極管が作られた。
ただ多少欠陥があり、第3のグリッド(サプレッサーグリッド)をいれた5極管に短期間のうちに取って代わられた。
なお電子ビームの研究から5極管を改良しビーム管と呼ばれる真空管(4極管)も開発された。

5
極管
 
6
66BA6などグリットが3本あるものを5極管と呼びます。

7
極管
    
グリットの数が5本ある6W−C56BE6等は7極管とか多極管と呼ばれています。
主にスーパーヘテロダイン受信機の周波数変換に使われます。
この他用途に応じいろいろな真空管が作られています。
複合管

  


同調表示管マジックアイ

  
 
外形で見る真空管の歴史

ナス管


日本でラジオが初めて作られ時代から昭和10年頃までに多く作られた形です。
ガラスの外形が茄子に似ているのでナス管(アメリカではS管)と呼ばれます。
電球の形に近いので、作りやすかったのでしょう。
電極はステムに固定されている金属製の支柱に固定されているだけです。
また1部の真空管では筒型のものもあります。


ダルマ管(ST管)


金属真空管(メタル管 MT管)
昭和10年(1935)頃 RCAで開発されたものです。
破損しないと言う事で、将来真空管は全て金属管になるとまで言われましたが、現実には製造設備が大変で、
アメリカでも中小メーカーでは設備が作れず、G管 GT管が結果的には作られるようになりました。
ただ軍用には大量に作られまようです。
ちなみに日本では生産量がごく少なく、日本軍用に少量作られただけです。
  
G管

GT管



エーコン管

ミニチュアー管(mT管)



サブミニチュアー管(smT管)