ラジオの代表的な配線図です。
戦前のラジオはラジオ配線図集2
これは真空管の箱におまけで同封されていた説明書の回路図です。
これは第1世代並四の回路図です。
並みの真空管(3極管)を使った4球ラジオの意味が並四受信機です。
当時5極管は高級管でした、ペントードと言ってもてはやされました。
並四の元祖は昭和7〜8年からで、それ以前は同じ構成でも並四とは呼びません(当時は高級受信機)。
昭和14年頃から5極管が安くなり(並みの球?)、検波は5極管になりましたが、そのまま並四と呼ばれました。
なぜ並四と呼ばれたかは、ラジオ工房 並四受信機を参照ください。
これはスター(富士製作所)のコイルパック用の回路図です。
赤箱のスター、青箱のトリオとアマチュアーが盛んに利用しました。
これは6A7 6Z−DH3を使った昭和20年代初期のもの(昭和23年前後)。
この頃は、ラジオの卸問屋で盛んにラジオキットを発売していました。
これは完成品にかかる税金がキットにはかからないので、安く出来る為です。
素人が組み立ててアルバイトにちょうど良かったようです。
昭和11年頃販売されていた4ペン受信機
チョークが3個使われている。
@当時マグネチックスピーカーは47Bのプレート回路に入れると不都合があると考えられていたようだ。
さらにAFCと.2μFのコンデンサーで共振させ低音を出す工夫でもあった。
A24Bの負荷にチョーク(200H)が使われているのは、
抵抗負荷のグリット検波では47Bをフルに働かせる出力電圧が取り出せないためです。
プレート検波だと出力は大きいが、感度が悪い。
B当時リモートカットオフの58や35があったが、高価だったり性能が安定しないので24Bを使ったと言われている。
24Bではシャープカットオフの為、入力が大きいと不都合が起こるので、A1 A2 A3と切り替えて調整。
戦前の4ペン(高1)ラジオでダイナミックスピーカーを使った高級品。
修理時の注意事項
@47Bの保守用に3Y−P1を使う時は、ヒータが動作するまでの短時間ピーク電圧がでます。
原理的には300V×1.4(波高値)×1.1(レギュレーション)=460V。
ブリーダー抵抗がありますので、計算値までは上昇しませんが、ケミコンの耐圧には充分注意ください。
450V耐圧のものを使うことを薦めします。
AVRが不良になった場合、交換はC型が理想です、どうしても入手できない時は大型(30mmφ)のB型を使ってください。
Bスピーカーのフィールドコイルが断線して、普通の(パーマネント)スピーカーに交換する場合はフィールドコイルの場所に2500Ωの抵抗を入れてください。
W数は10W程度の大型のものが必要です。
またケミコンの容量も増加する必要があります。
Cコイルが壊れて交換する時、バリコンの容量が最大350PFなので、430PF用のコイルでは周波数の低い部分が受信できません。
Dスピーカーの配線にUZソケットが使われています、@とEピンの部分はプラグを抜いた時、AC電源が切れる安全回路として働きます。
テレビアンの典型的な並四。
これも昭和11年頃に売られていたもの。
この5球スーパーが何故珍しいかと言うと、42のバイアスが半固定バイアス(と一般に呼ぶ)になっているためです。
但しここで記入された常数は多少理解に苦しむ部分があります。
問題は
@42 12F整流で330Vでは12Fが持たない。元回路は80か、80BKでは。
Aさらに電源は300V以下の方が合理的。
細かなことは別にして
この回路は普通トランスの電圧が比較的低い場合に便利な方法です。
FC方式のスピーカー場合、FCに流れる電圧降下を考える必要があります。
普通はこの低下分を見込んだB電源を準備します。
アース側にFCをいれ、この電圧を抵抗で分圧して42のバイアスに利用すれば、この分だけB電圧が低くても済む。
同じような考え方の回路が戦前からありますので、参考の為記載します。
注意しなくてはいけないのは、抵抗が断線すると42に無理がかかります、充分気をつけてください。
余談
半固定バイアス
固定バイアスが独立したバイアス電源を持つのに対し、この方式はフールドコイルの電圧降下を利用するのが特徴です。
2A3などのバイアスの深い球に利用するとB電圧がバイアス分助かるので、電蓄などにも利用されるようです。
バイアスに関係する抵抗が断線したり、高くなったりするとグリット電流との関係で球に無理がかかります。
十分注意ください(特に2A3などは)。
なお47Bを使った4ペン(高1)等にも応用例があります。
特に47Bのヒーター中点をアースする方式(58 57と共通に使う)の場合、カソードバイアスが使えないので、この方式の採用例があります。
この回路図は昭和26年(50年前)に発行された書籍からのものです。
戦後のスーパーヘテロダイン受信機の標準的な構成です。
この回路は30年頃の回路図に比べ、部品点数は多いです。
この後 段々部品が省略され、回路が簡単になってゆきます。
昭和30年代に入るといっそう簡略化されてきます。
しかし東芝の5球スーパー受信機は結構部品点数の少ない、簡略タイプを早い時期から出していました。
リンカーンの修理例は芯ラジオ資料館のリンカーンラジオをご覧ください。
15)ナショナル PS‐53
16)東芝 514A型5球スーパー
17)アービン 4球スーパー
アメリカのおもちゃラジオ?。中間周波増幅管が省略されている。
最初は大したことは無いと思っていたが、実物は意外と高感度。
これは再生がかけられていることに由来する。
18)ビクター 5R‐70 5球スーパー (昭和14年頃)
19)東芝 マツダ 623Aスーパー受信機(昭和28年頃販売)
この回路図は間違いがあるので念のため新ラジオ資料館 623Aの修理に移転しました。
2002年2月14日
2006年3月9日
2006年3月15日 テレビアンE−11を追加。
戦前のスーパーラジオはラジオ配線図集2
新ラジオ資料館のラジオ回路図集
新ラジオ資料館ポータブルラジオ回路図集
新ラジオ資料館電蓄回路図集
新ラジオ資料館ラジオ測定器回路図集
新ラジオ資料館アマチュアー無線機回路図集
2013年6月9日: 37,144 sakuranetへ移転 26,002から 連続カウント開始
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