電池管スーパーの試作

学研の某氏からなにやら怪しげな部品が持ち込まれました。
危険性を充分認識したのですが、楽しそうと言う魅力に負けて引き受けてしまいました。
提供された部品は下記の様なものです、これで前回発売の真空管ラジオキットに1R5を追加して、スーパーに出来ないかと言うことです。
それだけだと簡単なのですが、提供を受けた部品は正直 正体不明の部品です、何とか組み立ててみる事にしました。
これでスーパー方式のチューナーを製作するのです。
アンプとスピーカーは真空管ラジオキットを利用します。

ご注意
部品が高価すぎると批判もあるようです、スーパー化には別の方法もあります。
無理に同じ部品を使わず、手に入る安い部品を使って組み立てましょう。
学研ラジオをベースにした3球スーパーの記事も参考に ご覧ください。


提供された部品



@ 親子バリコン 中国製らしいですが、軸はインチサイズです。
トランジスターラジオ用ではと思われるのですが、それにしては外形が大きすぎます。
Qメーターで早速調べてみました、見掛けによらず容量は小さいです、最大可変容量が親側で200PF以下(=最大容量−最小容量 推定195PFくらい)。

トリマを締め付けた時の最大容量 トリマ緩めた時の最大容量
親バリコン側 230PF 200PF
子バリコン側 130PF 100PF

Aコイル
コイルはアメリカのAESで販売しているものか、そのコピーと思われます。

アンテナコイル 210〜340μH
OSCコイル 140〜240μH

このコイルは補修用に作られたらしく広い範囲でインダクタンスが可変できますが、
さすがに上記のように最大容量が小さなバリコンでは対応不能です(インダクタンス不足)。
事前の測定ではとても無理だと分かったのですが、とにかく組み立ててみる事にしました。

なおアンテナ(側)コイルのQは約60で同種のコイルに比べ相当低いです。
ボビンが紙製らしいこと、直径が小さい事が影響しているのかもしれません。

同種もコイル AES で夫々7.95ドルで販売されています。
さらに 使用したバリコンより、更に適した容量のものも販売されています(14.95ドル)、輸入してみたら面白いでしょう。

補足
発振コイルについて
上記の他にお馴染みのNO88コイルが使えます。
使用例は電池管3球スーパーをご覧ください。

秋葉原で170円で購入してきました。

IFTの外観写真と内部構造。


外観はごくありふれたIFTです。
ただ不思議なのは取り付けネジがありません。
端子の構造から見ても基板に取り付けるタイプでも無さそうだし?。

ブロックケミコンのような取り付け金具が別にあるのではと想像します。
(これについては後日ラジオ工房の掲示板で原科さんから教えていただきました)


IFTは3個ありましたので、分解してみましたが、中身は区別がつきません。
普通検波段のものはコイルの間隔が多少狭いのですが、ノギスで測定しても全く同じです。

「聞こえればよい」位に割り切ることにしました。
下側のコイルを一次側に、上側のコイルを2次側にする事にしました。


底面図 普通はP B G Fの記号があるはずなのですが、緑色の印だけで他は何もありません。

とりあえず 端子は写真の配置として組み立ててみました。

局部発振回路について

スーパー受信機では常に受信周波数より455KHz高い信号を作る必要があります。
真空管ラジオ全盛期には技術的に親子バリコンの製作が難しかったので、殆ど等容量のバリコンを使っています。
しかし昭和30年代以降技術が進み、親子バリコンが普及しました、今回は提供された親子バリコンを使います。

親バリコンは(アンテナ)同調回路、子バリコンは発振回路に使います。
元々適当なコイルと組み合わせると、親は受信周波数に、
子は受信周波数+455KHzに同調するようバリコンの羽根の形が設計されています。
ただ今回の組み合わせは規格が異なるものを組み合わせるので、
放送波帯(535〜1605)を全てカバーする事はできません。
このコイルを使う場合、最大容量が親バリコンで280PF以上のものを使う必要があります。

発振回路の実験

OSCコイルは汎用に設計されています、主に6BE6などに使うタイプで、電池管に使って、且つ+Bが45Vで上手く動作するか確認する必要があります。
まずこのコイルで上手く発振するかどうか試してみました。
実験してみると、発振は大丈夫でした、このコイルが電池管にも使えることが判りました。
但し受信範囲は比較的狭いです、東京では594KHz〜1422KHzのJORFまでは何とかカバーできそうです。
ただ製品によりばらつきが予想されますので、多少違う可能性があります。


全体を組み立
これは試作1号機です。
アルミシャーシの2号機を次に製作しますが、報告は後日。

回路実験用として組み立てましたが、最初は無音でした。
調べてみるとIFT(初段)の2つのコイルの同調周波数が1個は520KHz、もう1つは430KHzに同調していました。
これでは幾らなんでも音が出ません。
IFTは箱なしなので、流通段階のどの時点かで誰かコアを悪戯したらしいです。
経験が無いと「相当悩むか降参」と言うのが実感です、できれば調整済みのIFTを購入した方が無難でしょう。

無茶苦茶に弄られたIFTの調整法
この様な場合は後ろ側から順次調整します。
まず
@(検波段の)IFTの一次側(P)に250PF経由でSSGの信号を入れます。
SSGの発振周波数は動かしてみて、どこにピークがあるか確認してみます。
その後、2次側をまず455に合わせます。
A次に1T4(1K2)のG1に同じく250PF経由で信号を入れ、
上と同じようにして455KHzに一次側のコイルを調整します。
(一次側が大きく狂っているとピークが2箇所で出ます)
B520とか420は夫々調整時 この様にして確認したものです。
(SSGの発振周波数を動かしてみて、どの周波数で音が出るか確認するのです)
C前段も同じような方法で調整。



IFTを455KHzに調整した後は受信周波数の調整です。
バリコンの容量が不足していますので、全部はカバーできません、
東京ではJOAK(593KHz)からJORF(1422KHz)を何とかカバーすれば良しとします。
親子バリコンと組になったコイルを使えば、比較的簡単にトラッキングが取れます。
ところが今回は規格が全く違うものを組み合わせるので、苦労が多いです。

@IFTの調整が終わると、あとは受信範囲の調整です。
バリコンを最も入れきった位置から数%程度羽根が出た位置で、594KHzのJOAKが受信できるようにOSCコイルのコアを調整します。
Aバリコンの羽根が抜けきった近くで1422KHzのJORFが受信できるようにバリコン(子)のトリマを調整します。
  @とAは相互に影響しますので 2〜3回繰り返してください。
B元々バリコンの容量が小さすぎますので、上記受信範囲がカバーできない事も考えられます。
自分の良く聞く放送局を重点に調整すればよいでしょう。

C受信範囲が決まったら594KHzを受信して、最も感度が良くなるようにアンテナコイルのコアを調整してください。
D次に1422KHzを受信して、同じようにバリコン(親)のトリマを調整してください。
  CとDは相互に影響しますので 2〜3回繰り返してください。

注)
上記はバリコンの容量が小さい為に特殊な調整法を紹介したものです。
最大容量280〜430PFのものを選べば、535〜1605KHz全域が受信できます、誤解の無いように。



完成したものは学研の真空管ラジオの真ん中のソケットと接続します。
これでスーパーで受信した放送が、懐かしい音(ラッパの)で受信できます。

@1.5Vとアース、それに音声出力は学研ラジオの中央のソケット1B2(1S5)のに7ピンのアダプター経由で接続します。
A45VのB電源はワニ口クリップで、本体と接続します。
学研ラジオ本体は電池BOX兼アンプとして動作する事になります。

ラジオ工房掲示板による情報

底面図 普通はP B G Fの記号があるはずなのですが、緑色の印だけで他は何もありません。
原科さんの情報によるとこの緑色の端子がGとのこと。

したがって上記写真との違いはGとFが入れ替わっている。

取り付け金具(原科さんの写真より)

取り付け金具について
「ご存知の方 教えてください」とラジオ工房掲示板に書いたら情報をいただきました。
ラジオ工房掲示板に投稿いただいた原科さんの写真。





梅田さんに回路図を作図いただきました。

印刷する時は梅田さんのホームページ原図があります。

注)
この回路図は45Vで動作することを前提としています、B電圧を高くする時は回路の変更が必要です。




Ver1の残り在庫があるようです。
Ver2は何時でも購入できるので、お買い得だと思います。



  









2006年8月22日
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2006年8月28日
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2006年9月1日

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2006年10月28日



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